CD制作・雑報特報#22〜『大人のせんたく』

天災、そして未曾有の人災となった昨年3月。すぐに横浜の両親と姉家族を山口に呼びました。事態が落ち着くまで、少しでも安全な場所で過ごして欲しかったのです。小さな猫髭うたたね舍は、急遽6人家族の住まいになり、創作どころではありませんでしたが、笑いも喧嘩も絶えない賑やかな2週間となりました。
「マスクなしで外で遊んでいいの?やった〜〜〜!」と外を駆け回る姪っこ。ご飯の時間には、小さな丸テーブルにずらりと並んだ料理を前に、みんなで声を合わせて「いただきま〜す!」。大人は野菜の甘みに大満足。子供は魚の美味しさに目をまんまるくしました。夜は、ありったけの布団を敷き詰めて眠りました。
再び一人になって歌と向かいあった時、あの時間のことばかりが頭を巡りました。
子供達は、当たり前に美味しいご飯を食べ、外で遊び、夢を見て眠る、その「当たり前」を実現できるか否かは、大人の選択にかかっていることを知りました。また、それは大人が心の洗濯をしなければ、実現できないのかもしれません。
何度も歌詞を練り直しましたが、最終的には私らしい言い回しに落ち着きました。未来の命を考える大人達ということで、レコーディングでは、男性代表(!)永谷青空さんにコーラスで参加してもらいました。青空さんと私、パパやママではないのですが、この歌の世界ではあり得るかもしれません。やさしく、まあるく、あたたかいメッセージソングとなりました。
さて、写真は、佐々並音楽堂のすぐ前を流れる小川で穫れたお魚。10cmくらいの小魚ですが、塩焼きにしたらなかなかのお味でした。こうゆう生活を当たり前に小さな子供達にもしてもらいたいと思うのです。


『大人のせんたく』

緑あざやかな お野菜がずらり
ぴちぴち跳ねていた お魚も並ぶ
まあるい笑顔が 勢ぞろいして
声を合わせて いただきます
それが何より一番
すこやかに すこやかに ただそれだけでいい
お日様さんさんと 命を育み
風が吹いたなら 緑の香りがする
まあるい笑顔が 空を見上げて
美味しい空気を いただきます
それが何より一番
すこやかに すこやかに ただそれだけでいい
雨が降ったなら お山も田んぼも潤って
星が歌ったら やさしい夜が来る
まあるい笑顔は お布団の中で
明日を夢見て おやすみなさい
それが何より一番
すこやかに すこやかに ただそれだけでいい