音楽の、神様・仏様

今回のLIVEは、美しい日本語JAZZの第二弾とでもいいましょうか。
メンバーは、前回と同じ原野悠平君(dr)、関西から東ともみちゃん(cbs)、
東京から、みらくるガーナー(またの名を島崎智子。p)。
私も、みらくるガーナーも、ジャズの人間ではない中でのこの企画。
前日のリハにて(cbs抜き)、それぞれの歌に描かれている世界はどんなものなのか、何がいいたいのか、
そして私たちは心のどこにフォーカスをあわせるのか、といった話になりました。
口火を切ったのは、みらくるガーナーでしたが、原野君も一生懸命考え、言葉を探していました。
そうだ、そうだった、そうなんです、そこのすりあわせ、本来すごく大事なのです。
コードや、アレンジや、構成や、ソロは誰がとるか……といったことよりも。
私、見落としつつありました。
その話をしてから、3人がおなじものに向かっていく方法をつかんだうように思いました。
 
ともみちゃんと合わせられたのは当日のみでしたが、
彼女はジャズだけではなく、シンガーソングライターのサポートで演奏するなど、幅が広く懐が深い。
小さな体なのに、楽器も器も大きいのです。なんの心配もありません。
本番、気づけば、「ジャズ」という言葉はどっかにいっちゃって、
4人が心を通わせて、目の前にある「歌」を表現することに、終始したように思えました。
だからこそ、楽しかった。
ふわふわした楽しさではなく、しっかりと地に足をつけた楽しさ。
ともすれば、何だか涙がこぼれちゃいそうな気持ち。
  
よく「音楽の神様」という表現を使いますが、
私は、残念ながらほとんど会えたことがなく、この日も会えたわけではありません。
でも、この、追いつけそうで追いつけない、偉大なる音楽の神様に向かって
「あなたの存在、信じてます〜〜〜!見えないあなたに向かって歌います〜〜〜」と、
今までにない気持ちで挑んでいました。
帰りの車で、みらくるガーナーが言いました
「ピアノごしに見える、歌ってるさとこさんが、仏様に見えた」。
おいっ!勝手に人を殺すな〜っと思ったら、言い間違いで、
彼女が言いたかったのは弁財天のことでした。
これまた、なんともありがたい。
音楽や歌は、ジャンルや技術という壁を自ら作ることなく、
個々の作品と、また一緒に演奏する人たちと、
心を通わせて、自分ができることを、かっこつけずに、やったらいい。
それだけなんですね。
それだけなのに………難しかったりする。
自分のライブでも、いつでもどこでも、それができたなら、
どんなに幸せだろう。
今回のこのような気持ちに至れたのは、プロジェクト2回目だったからこそ。
初回5/5は無我夢中でした。
余裕がない中、私をひっぱってくれたあの日のメンバーにも改めて感謝です。
【セットリスト】
Body & Soul / It's Only A Paper Moon / Lover, Come Back To Me
Lullaby of Birdland / Misty / Cry Me A River / All Of Me / A Lover's Concerto
 
最後になりましたが、この日は、久保研二センセの生誕祭でした。
他の出演者・関係者の皆様、会場のwakayamaさん、お疲れ様でした。
久保センセ、おめでとうございました。