CD製作・雑報特報#18〜『ニュータウン桜通り』

横浜の実家に来ています。
落合家がここに引っ越してきたのは私が3歳の時。当時は、まさにニュータウンでした。バス通りのどの家にも桜が植えられていた建売住宅。そこに住むありきたりな家族。でも、そのありきたりがどれだけ大切なものだったのが、この歳になってしみじみわかります。子ども達の成長、家族の歴史を、季節をくり返しながら見守ってきた桜は、遅咲きの八重桜。種類はおそらく花手毬。今日は蕾が雨に濡れています。残念なことに、桜の木が残るのは、わが家のみとなりました。
私にとって欠かせない、この風景を歌った『ニュータウン桜通り』。ピアノ弾き語りに加え、姉妹が吹くのをイメージしたリコーダーと、広がり感を持たせたコーラスを入れました。


ニュータウン桜通り』


誇らしげな若きお父さん 新しい家にときめくお母さん
玄関のコンクリ乾かぬうちに 足跡つけた幼い姉妹
生まれたばかりの住宅地 ポストの文字は初々しい姿
あちらこちらで蕾みが照れている ニュータウン桜通り
待ちきれなかった赤いランドセル ドアを開けて駆けだして行く


所長さんになったお父さん 趣味の写真にも打ち込むお母さん
海のそばにお嫁にいくお姉ちゃん 学生なのにバンドばかりの妹
自由な向きのベクトルだけど ひだまりの場所を四人とも知ってる
満開の花がどこまでも続く ニュータウン桜通り
花びらの小旗がはためく道を 背筋を伸ばし歩いてゆく


おじいちゃんと呼ばれるお父さん おばあちゃんとは呼ばせないお母さん
時おり孫を連れてくるお姉ちゃん 歌を歌い遠くで暮らす妹
集ることに理由はなくても 桜の下で顔を揃えてる
見上げた空は一面 花吹雪 ニュータウン桜通り
無邪気に笑う幼い命は 両手をのばし はしゃいでいる
生きる営みを何度も繰り返す ニュータウン桜通り
散る花びらに 穏やかな命は 小さくうなずいている
静かにほほえんでいる