CD制作・雑報特報#15〜聞き込み作業

三歩進んで二歩さがる、そんな感じで録音を進めて来ましたが、ようやくあと残り1割。今日は、あえて録音も編集もせず少し心の距離を置いて、美味しいコーヒーをお供に、今まで録音した音源をゆったりと聞いてみることにしました。
ところが、一曲目のイントロが流れた瞬間に、ゆったりという文字はすっとんで行きました。ピアノのタイミングが、とか、声の質感が、とか、ここのノイズが、とか……歌全体ではなくて、重箱の隅をつつくようなことばかりが頭を巡ります。
いかんいかんと頭を振って、参考までに以前のアルバムを聞いてみることにしました。久しぶりに聞く前作「ランプと靴下」。少し声の感じが違います。あの時は「夜」モードだったので声も夜な感じ。更に前々作の「ゼリーの心臓」も聞いてみました。すると、今の心持ちと全く違う歌い方をしています。自分で驚きましたが、でも、あの時は、ああゆう心境だったわけで、だからあの選曲だったのだなぁと、一人しみじみ。
CDは、作品づくりの大切さは勿論のこと、「その時の私」が詰まったものになるのだと改めて思いました。ゼリーの私がいて、ランプの私がいて、そして今の私がいる。今、生きているありのままの私をそこにおさめる、それでいいのです。