9月1日、萩往還 佐々並「せせらぎコンサート」大盛況で終了!

山口県萩市、佐々並地区の里おこし「せせらぎコンサート」。この夏は、主催者である農事組合法人「九郎ヶ里振興会」の皆さんと一緒に、私も準備を進めてきました。
あちこちに、ポスターを貼らせてもらったり、声をかけさせてもらう度に聞いたのは「佐々並なんかに人は集まらんじゃろ」という言葉でした。主催者でありながらも、初めての経験の振興会の皆さんからも「有名人でもないのに、人はくるんじゃろうか?値段が高すぎるんじゃなかろうか?みんな、満足できるんじゃろか?カラオケでもやった方がいいんじゃなかろうか?………」。沢山の不安の声があがりました。
8月上旬の打ち合わせの時、発起人である山口でうまれた歌・作家、久保研二氏は、振興会の皆さんに言いました。「私らはプロですから、お客さんが30人でも、200人でも同じです。感動させます、大丈夫です。」
振興会代表の高木さんも続きます。「生の音楽は理屈やないんよ、とにかく感動するんよ。落合さんらぁは、それでずっと飯を食ってきた人なんよ。わしらが、米つくるんと、おんなじなんよ。わしら、音楽はわからんでも、米やったらわかるじゃろ?自分の作った米に自信があるじゃろ?本物ってのは、そうゆうもんよ。わしらぁ、いらん心配せんで、自信をもって、知り合いやなんかに、ゆうてまわって、一枚でもええから、たくさんチケットをこうてもらったらええんよ。」
コンサート当日、フタをあけてみれば、佐々並公民館は、人、ヒト、ひと!170人ものお客様が来て下さいました。佐々並の全員が集まっているかのような賑わい。佐々並地区以外から来られた人も「佐々並にこんなに人が集まっているなんて!」と皆、驚きの表情でした。振興会の皆さんが頑張りが、見事に花を咲かせたわけです。
コンサートは、案内人として久保さんの関西弁のお喋りがあり、1部は私のピアノ弾き語りで、童謡、唱歌、山口でうまれた歌など。2部は、滋賀県での里おこしを手がけている、お琴の弾き語りの真依子さん。途中から私もコーラスとピアノで参加。自然に視点を置いた世界観の歌と、お琴の音色に、お客様はすっかり心を奪われていました。きっと義理でチケットを買って仕方なく来た人もいたに違いありませんが、「こりぁ、ええ!」「いやぁ、ほんとに、えかった!」そんな心の声があちこちから聞こえてきました。
関西から来てくれた音楽チーム(真依子さん、ギターの櫻井さん、音響の石川さんら)との打ち上げに、振興会の皆さんもお誘いしていたのですが、当初は「行けるかどうかわからんのんよ、はよ帰りたい人もおると思うんよ」と。ところが、結局は全員が出席し大いに盛り上がりました。コンサートの行方を一番心配をしていたYさん、「みんなぁ、今のこの気持ち、感動を忘れたらいけんよ!」と言って、来年の計画へと話は膨らんでいく、その姿に「音楽って凄いなぁ、音楽ってやっぱりいいなぁ」とほほえましい気持ちになりました。
行政に頼らず、地元の人の熱意で動く里おこし。みんなの気持ちが同じ方向を向いて動き出せば、きっと大きな力になるはずです。そして、それは里おこしだけではなく、今、日本が抱えている様々な問題にも言えることなのかもしれません。