伊吹の天窓、夢の一夜

先日、滋賀県限界集落、甲津原で行われた里おこしイベント「伊吹の天窓」に参加してきました。100人の里村にこの日は200人近い人たちが集りました。深い緑につつまれた行徳寺の境内では、夕方から、地元の野菜をふんだんに使った素朴なメニューがテントにずらり。ほぼ全種類制覇しましたが、特にジャガイモの芋餅の味が今でも忘れられず。
陽が暮れる頃、ひぐらしの合唱と共にお堂の中で始まった真依子さんのコンサート。私は、嬉し恥ずかし、ゲストとしてコーラスでお手伝い。お堂の中はぎゅうぎゅう詰めでしたが、皆さん気持ちよく聞いて下さった様子。
コンサートが終わる頃にはすっかり暗くなり、皆さんはお寺の庭に移動します。そこに設置された特設スクリーンでの、絵本(魚住郁著)の上映と私の朗読によるショートプログラムをゆったりと。
私がお話を読み終えると境内は一瞬闇に。すると、次はあちらこちらの足下で、ほんわりほんわり暖かな光が。サッカーボールほどの大きさの80枚近い切り絵がライトアップされているのです。そこには山の動物たちが描かれています。
心があたたまった次の瞬間、本堂の障子に浮かび上がった、巨大な切り絵。誰もが「わぁ〜!」と感嘆の声。私もこんなサプライズが最後にあるとは知らず感動!そして空には満点の星…。
夢のような一夜でした。
ここではエコという言葉はいらないようです。ゆったりと時間が流れ、人が生きてゆくのに、必要最低限の、しかもとても大切なものが、満ちあふれているように感じました。そろそろ便利さを手放して、心や人をゆっくりと味わう生活に移るべきなのです、きっと。土地のみなさんの暖かくちょっぴりやんちゃな笑顔は、心の充実の現れだと思うのでした。
真依子さんのwebも併せてご覧下さい http://maiko-net.com/diary.html