CD制作・雑報特報#19〜『歌でも歌ってあげましょか』

あたたかくなってきた途端に、猫髭うたたね舍でも佐々並音楽堂でも、あちらこちらから「ホーホケキョ」が聞こえて来ました。そして今は少し一段落。春の訪れを告げる鶯の声ですが、夏までその声を楽しめるのですよね。『歌でも歌ってあげましょか』を創った時も、初夏でありながらも、本当に鶯が鳴いていました。
今回のアルバムの中で創作時期が一番古いのが、この『歌でも歌ってあげましょか』。創作メモには2004年と書いてあります。表立ったことはありませんでしたが、実は私の中では、アーティストとして、また人として、大きな気付きを迎えた年でした。この歌ができた当初、ライブでの核となる歌として、繰り返し繰り返し歌ったものです。そのせいでしょうか、ライブでの登場回数が最近は減っていたにも関わらず、レコーディングでは1発OK。何にもとらわれず、すっと歌えました。


『歌でも歌ってあげましょか』


ゆるり微笑む日ざしの中で 愛しいあなたにひざまくら
初夏のウグイスさえずり聞いて 軽く耳たぶ くちづける
小さな拗ねごと まき散らしても 大きな箱に全部入れて
笑ってくれるあなたの為に 歌でも歌ってあげたいな
ぼやけた弥生の風に流され 浮き草のように生きてきた
秋がそろりと近づく夜に 漂う私にくちづけた
愚かな自分を受け入れること 心に深く根をはること
教えてくれたあなたの為に 歌でも歌ってあげたいな
二人感じる形なきもの 心に深く根づくように
生きた季節を追い越すような 歌でも歌ってあげたいな
初夏のウグイス うならすような 歌でも歌ってあげましょか